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初めての古民家 [住]

初めて古民家の調査に行ってきた。

私は写真を撮り、計測し、スケッチする。それを最終的に図面化するのである。
縁側に座ってスケッチして、暫し古民家の雰囲気に浸ってみたり
計測していると、規則正しい寸法ではなかったり、直線でなかったり、
おそらく合理的な形がつくられていたらしいことがわかってくる。
瓦も一つの建物なのに色々な種類のものが使われていたり、新たな発見も多い。

自治体によって様々らしいが、今回調査をしたところは、
行政側が建て替えの確認申請が出て初めて古民家取り壊しについて知り、
それを教育委員会に知らせた。教育委員会は、失われ行く地域の歴史を今
必死で探し収集しているところなのである。
もっと早くに我々が建て替えの検討をしている等のことを知っていたら、
取り壊しは免れたかもしれない。文化財になりうる可能性もあった。

持ち主は、昔のままでは住めないと言う。
しかし、都合悪い部分を改良して住めるようにすることは全く問題なく出来る。
建物の良し悪しを一番良く知っているのは持ち主だから、我々が保存、再生しようと
促すことは勿論しないのだが、今まで生きてきた建物なのだから、住宅を建てる人に
関心のある災害対策にはむしろ、古民家の方がしっかりした構造をしていると思っている。
それにしても、私自身が今回の調査で古民家について無知なことに気が付いた。
これから学んでいくことになりそうだ・・。またblogに書き込みしていきたいと思う。


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コメント 7

いのっち

文化を守りながら現実に生活していくにはいろいろ手をくわえなければ
いけないでしょうね。
いいアドバイスができて、いい状態で残されることを願ってます。
by いのっち (2005-10-16 09:23) 

Keiko

おー、楽しみです。(^o^)
古き良きもの、というのは残せるなら残していきたい、未来への贈り物ですよね。実家を建て直す時も・・・飾り窓とか全部壊されて、幼いながらに悲しかったのを思い出します。
by Keiko (2005-10-16 09:25) 

しぃ

阿倍野にあった父の実家は明治元年に建てられた家でした。
もう取り壊してしまったけど
一度yoshさんに見てもらえばよかったなぁなんて思います。。
古い家で不都合もあったけど、古い分思い出も愛着もあるんですよねぇ~
建て替わって様変わりしてるであろうあの地域を見てみたい気もしますが
祖父母との思い出がたくさん詰まったあの家がなくなっている現実を
まだ冷静に受け止められそうにないので、あの地域に近づけません・・
by しぃ (2005-10-16 10:23) 

古民家は神社仏閣と同じくらい価値があると思っています。
現在もそこに住まわれている方がいて、不便は感じるけれども維持されていることはとてもすばらしいと思います。住まいは掃除も修理もしなければなりません。当然新築の○○ハウスのような住宅に比べたら維持費はかかってしまうと思います。雑巾がけも拭くところが多いと思います。
でも、時間を経た風景、空気を現代の技術でつくることは出来ません。町を歩く人全てがその価値を理解してくれる日は来ると思っています。
by (2005-10-17 09:44) 

yosh

>いのっちさん
持ち主は維持管理が難しいと・・建物の良さはわかっておられますが、
残念ながら11月に解体されて、新しい家を建てるそうです。
>Keikoさん
我々は記録を残すのみ。それが未来へどう繋がるのか・・私にはそのことが自分でもわかっていないのですが、とにかく記録するだけなのです。今回は解体されてしまうのです。私は少し古道具と建具を譲ってもらいます。飾り窓だけではなく、どの建具も一つ一つ手が入っていて今には無い魅力を感じます。
>しぃちゃん
私も昔、父の実家の解体を経験しました。まだ建築もかじっていない時だったので何も出来ませんでしたが、私以外でも同じような思いをしている人が沢山いるのだなというのがわかって嬉しいです。
それにしても、残す方向になかなかならないのが現状です。
>ヒゲボーズさん
初めまして。コメントありがとうございます。ちなみに解体後は○○ハウスのような住宅が建つようです、非常に残念です。解体費用を聞いてみてもとんでもなく高く、○○ハウス屋が生業として存在し続ける限り、このような問題は無くならないように思いました。それに対抗するだけの術がないのが現状で、一緒に調査をする仲間が数件、再生をしたくらいです。皆が価値を理解した時にはこの世に古民家が無い、なんてことがないようにしたいです。
by yosh (2005-10-17 10:53) 

かさはら

レポ期待しています。今に残る、昔の住居はしっかりしたものが多いですね。だからこそ残ってきたのでしょうが、昨今の建物って、昔のそれより強いとかいうけど、結構、もろいですよね?
by かさはら (2005-10-17 11:26) 

yosh

>かさはらさん
昨今の建物といえば、建築基準法という法律に則った構造か否かでまず分類でき、今のはボルトや釘を多用しているので、普通に想定される地震に対しては強いと思います。ただし、柱などの構造材が集成材という、板をはぎ合せて柱にしているものが多く(○○ハウスならたぶんそれでしょう)、劣化しやすい。それに対して古民家は丸太を柱に加工した芯のある材を使っているうえ太いので、残ってきた理由の 一つ はその違いでしょうか。大工の技術が高かったのは言うまでもないことです。
by yosh (2005-10-18 13:08) 

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