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グスク [建築]

美しい曲線・・・

沖縄の世界遺産であるグスク(城跡)の城壁です。
琉球王朝成立以前の権力者の居城で15世紀頃につくられた石垣。
この内側に城主の住まいである建物が建っていたそうです。

この城壁の内側に立っていると、この場所は高台にあるため空しか見えず、
なにか守られているような、何かに優しく包まれているような安心感を覚えました。
詳しいことは知りませんが、本土にある戦国時代のお城のような戦闘態勢に
備えたものでもなさそうで、大層な門もありません。
その代わりこじんまりとした入口のアーチや、上り易い階段など・・
ヒューマンスケールに沿った感じが共感を覚えました。
同じ日本ながら技術や文化の違いの大きさに気付かされました。




吉島家住宅 [建築]

高山市内には旧い家屋が多く残されていますが、
一番心に残ったのは、国の重要文化財となっている吉島家住宅。


建物もさることながら、中に入って、この室礼(しつらい)
に釘付けになってしまいました。
「室礼」という言葉自体は後から知ったのですが、
この言葉を知った時、最初に浮かんだのがこの光景であり、
日本の季節や行事に合わせて変えていく行為とその空間構成は、
インテリアデザインという言葉では言い表せない次元だと思ったのです。


そして上を見上げるとこの架構・・・
あるアメリカの建築家がこれを見て今では名作住宅と言われている建物に
応用しており、日本ではこの住宅を一番気に入っていたという話を聞いたのですが、
それを聞くと、またもう一度じっくり見直してみたいと思ってしまいました。


二つの旧家屋 [建築]

神戸北野の異人館で友人の結婚式があった。
そういえば、日本の古民家と異人館は同じ民家と言えるけれども全然違う。
古民家→建具を開け放つと家全体が一体となり、外とも一体となれる。
異人館→壁で仕切られ重厚なドアと廊下で構成されている。開放感といえば天井が高いこと。
     (これがウエディングスタイルに偶然マッチしていたのでしょう、言いかえれば
      ハレの場の演出にはふさわしいのでしょう。)

端的に表すと日本は夏向きにつくられ、異人館は冬向きのつくりと言える。
建物のスタイルは気候風土の違いに拠ると言えるのですが、現実には同じ日本の中に
両極端のタイプの家が存在しているということ。しかもこれには気候風土に逆らっているという
意識は無く、個々人の頭の中にある家というスタイルがすでに出来上がっていて、
家とはこういうもの、という作り手や住み手の潜在意識のうえに成り立っている、と思われる。

さらに、最近の日本の家は冬の寒さを意識したつくりになってきていて、一般的な家というと壁に
囲まれた部屋で構成される間取りは当たり前、設備機器を用いて問題もあっさり解決してしまう。
それでも、二つを同じ家屋として比較するとそれが対極のものであることは明白で、
改めて家をつくることに関して考えさせられるのです。


謎の建築 [建築]


京都の町をうろうろしていた時に見つけました。
旧い町並みを満喫している最中ではありましたが、
わけのわからない物体を見つけるとやはり反応してしまいます。
一体これは何なのでしょう?


香雲亭 [建築]


二条城城内の清流園という庭園の中に ちんまり とした建物が見えました。
この写真、見れば見るほど不思議な感じがわいてきたのですが・・
要は、私には不自然に見えたのでした。で、理由を考えていたのですが、
庭は立派で、建物も丁寧につくられていると思われますが、
外から丸見えであけすけな佇まいが気持ち悪いのかも・・
お茶会をしたりする場所らしいのですが、私にとっての茶室というのは、
庵のようにひっそりと建っているイメージなのです。
日本的というより西洋的と言えるのかもしれません。
おそらく、庭を愛でるのを目的とした建物なのでしょう。

こうなると、香雲亭から眺める風景が気になってきました。


二条城本丸御殿 [建築]

京都の二条城へ行ってきました。
昔から大手門と堀が気になっていたのですが中へ入ったのは初めてです。
二の丸御殿のうぐいす張の廊下を歩き、いろいろつぶさに見ながら
古い建築でも古民家とは全然違うなぁという、なんと素人な感想・・・
正直、建築の仕事をしていてもお城に関しては素人なので何を言っても
浅い言葉しか出てきそうにありません。

それでも庭なども勉強になるのでそちらへ歩いていくと、まず本丸御殿が現れました。
それにしても上品な建物で、どうも将軍様(武士)には似合わないなと咄嗟に思ったのですが、
それもそのはず、本丸御殿は、京都御苑内の旧桂宮御殿を明治期に移築した建物だったのです。
本来なら雨戸を開け放ち白い障子が連なっているはずなのですが、全部板戸で塞がれていました。
私が思わず美しい!と思ったのはその板戸(雨戸)の色。

少しずつ補修しているのか、一枚の戸に新旧混ざった木が使われていて、そのコントラストが
違和感なく美しいと感じるのです。戸を一枚替えるのではなく、悪くなった箇所のみ取り替える
という、とても理に適っていて納得してしまいました。


かわいそうな建物 [建築]

養老天命反転地へ行った後、今回のツアーでの建築担当のM氏により
(森呼吸)という建物へ連れて行ってもらった↓
http://www.vill.sakauchi.gifu.jp/tourist/kankou/k2.htm

グッドデザイン賞や、建築関連の賞もいくつか受賞しているそうだ。
写真で見て美しい建物だし、実際行ってみても迫力のある構造や爽やかな色合い・・・

ところが。実はHPの様には使われていないどころか休館中。 
役場で鍵を貸してくれて中に入ったものの、何だかかび臭い。
壁には黒いシミが沢山ついている。
雨漏りが使われていない原因だろうか?
休館中となっていたけれど、もう管理されていない様子。
おそらくこのまま朽ちていくものと思われる。
税金の無駄遣い・・・

こんな人知れずかわいそうな建物がこの他にも全国に散らばっているのではと思った。


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